8/29 (土) に平成27年度豊橋市医師会卒後研修会が開催されました。この研修会は、医療に直接関係のないテーマでも構わないという懐の広い会なのですが、本年度は「災害時における自衛隊の活動と医療との関わり」という演題名で、自衛隊の第10特科連隊長 兼 豊川駐屯地司令の上田俊博 1等陸佐にお越し頂き、ご講演を賜りました。
今まで自衛隊の方の話を直接聞く機会はなかったのですが、東日本大震災をはじめとして、昨年の広島での土砂災害や徳島での豪雪による災害など、様々な被災地で自衛隊の方々が先頭に立って救助・支援活動をされていること、そして現地での作業は想像以上に過酷であることがよく分かりました。ただ自衛隊自身は医療行為を行えないので、医療については医療関係者と連携してトリアージや応急救護、後方病院への転送に当たっているとのことでした。
また上田氏は、災害時こそ様々な機関との連携が非常に重要であるということを強調しておられました。そして、日頃から「顔の見える」関係を作っておくことが必要だとも仰っていました。これは、病院と診療所の間の連携(病診連携)の際にも言えることですが、お互いを知っていれば情報交換もスムーズに行えるし、頼み事もしやすくなる、ということに繋がります。考えてみればごく当たり前のことなのですが、全く分野の異なる人同士で「顔の見える」関係を作っておくことは、容易なことではありません。そういった意味でも、今回自衛隊の方と面識を持つことができたことは、大変有意義だったと思われます。豊橋でも今後大規模な災害が起こる可能性が十分にあります。いざという時に、自衛隊をはじめとして、様々な分野の方々と連携して地域の医療活動にあたる必要があると感じました。