体質やリスクを把握した上で設定する治療の目標値です

脂質異常症の診断基準は先に述べた通りですが、基準を超えたからといって必ずしも治療が必要になる訳ではありません。特にLDLコレステロールについては、それぞれの患者さんの背景(冠動脈疾患の既往歴を始めとして糖尿病、慢性腎臓病など動脈硬化を促進させる他の危険因子の種類と程度)を元にして、管理目標値を決定します。具体的には、まず下記のように各患者さんの管理区分を決め、それを元に各管理区分の脂質管理目標値を確認します。
なお、2017年6月に「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」が改訂されましたので、新しいガイドラインに基づいて図表を更新しました。

脂質管理目標値診断

これを見ると、二次予防の人のLDLコレステロールの管理目標値は100mg/dL (70mg/dL) 未満となり、高LDLコレステロール血症の診断基準である140mg/dLよりもずっと低く保つ必要があることが分かります。一方で、他に危険因子を持たない (低リスク) 人の管理目標値は160mg/dL未満であり、必ずしも140mg/dLまで下げなくてもよいことになります。また低リスクの人に薬物治療を開始する目安は180mg/dLとされています。
なおHDLコレステロールやトリグリセライドの管理目標値は、管理区分に関わらず診断基準値と同一となっています。