薬の種類によって異なる、というのが正しい答えでしょう。α-グルコシダーゼ阻害薬や速効型インスリン分泌促進薬は、食後の高血糖を抑える目的で使用するため、毎食直前に服用する必要があります。一方、チアゾリジン薬やDPP-4阻害薬などは1日1回の服用でよいこともあり、多少時間がずれても大丈夫です。またインスリンに関しては、速効型や持効型など種類によっても多少変わりますが、原則として時間を守って注射を行う必要があります。

しかし、薬の服用時間と同じぐらい重要なことがあります。それは、食事を決まった時間に摂る、ということです。糖尿病の薬は、食事を摂って血糖が上昇することを前提として処方されていますので、食事を摂らずに飲んだ場合や、食事と食事の間が空いてしまった場合などに低血糖を起こすことがあるからです。また同様に、病気などで食事が摂れない場合も、一時的に薬を減量したり休薬する必要があるかもしれません。その一方で、病気の際には体内でのインスリンの必要量が増すため、食事を摂っていなくても高血糖に陥る場合があります(シックデイ)。体調が悪い場合は早めに主治医に連絡し、指示を仰ぐことが大切です。