高血圧治療の目的は、血圧を下げることそのものではなく、血圧を下げることで心臓肥大や動脈硬化を防ぎ、最終的には心筋梗塞や脳卒中を予防することにあります。そのためにはよい血圧を維持することが非常に大切です。
高血圧の薬(降圧薬)は血圧を下げてくれますが、効果が切れると血圧は元に戻ってしまいます。ですから、よい血圧を維持する(=心筋梗塞や脳卒中を予防する)ためには降圧薬を飲み続ける必要があるのです。
ただし、減塩や減量・禁煙などによって降圧薬が中止できる場合もありますし、中止できなくても薬の数を減らせる場合もあります。特に夏期は冬期に比べて血圧が下がりやすいので、降圧薬を減らせる可能性が高くなります。家庭血圧を測定して、低い値が続く場合は主治医に相談してみるとよいでしょう。