糖尿病の3大合併症
これらはいずれも細い血管の障害が原因で起こるため「細小血管障害」と呼ばれています。
糖尿病性腎症
高血糖状態が長く続くと、まず尿中にアルブミンと呼ばれる蛋白がわずかにみられるようになります(微量アルブミン尿)。この時点では、通常の試験紙による尿蛋白の検査では見つからないため、もう少し詳しく調べる必要があります。さらに腎症が進むと顕性アルブミン尿または持続性蛋白尿と呼ばれる状態になり、通常の尿検査でもわかるようになります。さらに進行すると血液検査でも腎機能の低下がみられるようになり、最終的に透析が必要になることもあります。
糖尿病性網膜症
高血糖状態が長く続くと、網膜の細い血管は徐々に障害を受け、変形したりつまったりします。血管がつまると網膜が酸欠状態に陥り、その結果として新しい血管(新生血管)を生やして酸素不足を補おうとします。新生血管はもろいために容易に出血を起こし、それによって目の機能に障害が起きます。また、出血すると網膜にかさぶたのような膜(増殖組織)が張ってきて、これが原因で網膜剥離を起こすことがあります。網膜症は、単純性網膜症、前増殖期網膜症、増殖期網膜症と進行してゆき、最悪の場合失明に至ることがあります。
糖尿病性神経障害
糖尿病の三大合併症のうち、最も早期に出現してくるのが糖尿病性神経障害です。神経障害は、腎症や網膜症と同様に高血糖が持続することにより神経が変性したり、毛細血管の障害で血流が低下することなどにより生じてきます。手や足の先から、左右対称に出現してくるのが特徴です。症状としては、両足のしびれや痛み、靴下をはいていないのにはいているような感じ、物が二重に見える、めまい、立ちくらみ、便秘、尿が出にくい、勃起しにくい、心筋梗塞を起こしても痛みを感じないなど、さまざまです。知覚が低下するため、足に怪我や火傷をしても気づきにくく、注意が必要です。
大血管障害
糖尿病は特に動脈硬化を促進させるため、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患、手足に血液を送る血管が狭窄したり閉塞する末梢動脈疾患が起こりやすくなります。
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