糖尿病の治療の基本は
食事療法と運動療法です
糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法です。食事・運動療法を行っても目標の血糖値やHbA1cまで下がらない場合には、内服薬や注射を用いることになります。
食事・運動療法
糖尿病の基本の治療です。
内服薬・注射
食事・運動療法を行っても目標の血糖値や
HbA1cまで下がらない場合に使用。
最終的に糖尿病がない人と同じ
くらいの健康寿命を達成(目標)
血糖値をなるべく正常に近づけることでさまざまな合併症を抑え、最終的に糖尿病がない人と同じぐらいの健康寿命*を達成することが目標となります。
*健康寿命とは?
平均寿命のうち、健康で活動的に暮らせる期間のことをいいます。糖尿病の人は糖尿病でない人に比べ、平均寿命も健康寿命も短いと言われています。
食事療法
食事療法で最も大切なことは、その人にとって適正なエネルギー量の食事を摂ることです。2番目に大切なことは、炭水化物・タンパク質・脂質が血糖に与える変化を理解して、食べる順番や食べる早さに注意を払いながら、バランスよく食べることです。最近は炭水化物制限・糖質制限が話題となっていますが、極端な制限はさまざまな悪影響が出る危険がありますので、避けた方がよいでしょう。さらに詳しい栄養指導を受けたい場合は、当院では豊橋市民病院などと連携して、糖尿病教室や教育入院を受けることをおすすめしています。
- 適正なエネルギー量の食事を摂ること
- 食べる順番や食べるスピードに注意しバランスよく食べること
運動療法
運動を行うことで、カロリーを消費して血糖を下げることができます。また運動すると筋肉内の血流が増えることにより、インスリンが効きやすくなるという効果も認められます。具体的には1回15〜30分間の散歩を1日2回行うことがすすめられていますが、できる範囲で構いません。毎日が無理なら2日に1回でもよいですし、1回に10分でもよいでしょう。とにかく運動することを習慣にして長続きさせることが大切です。
薬物療法
経口薬
- インスリンの働きを改善する薬
- インスリンの分泌を促進する薬
- 糖の吸収や排泄を調節する薬
注射薬
- インスリン製剤
- GLP-1受容体作動薬
経口薬には、インスリンの働きを改善する薬(ビグアナイド薬、チアゾリジン薬)やインスリンの分泌を促進する薬(SU薬、速効型インスリン分泌促進薬、DPP-4阻害薬)、糖の吸収や排泄を調節する薬(α-グルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬)などがあります。また、注射薬にはインスリン製剤とGLP-1受容体作動薬があります。
血糖値やHbA1cだけではなく、その人の年齢や肥満の程度、合併症の程度、肝臓・腎臓の機能、インスリンの分泌能、インスリン抵抗性の程度などを総合的に評価して、どの薬物を使うかを決めます。
また、種々の経口薬や注射薬を併用する場合もあります。なお、糖尿病に高血圧や脂質異常症などの病気を合併している場合は、糖尿病だけの場合に比べて、さらに動脈硬化が進みやすいことがわかっていますので、いずれの病気もより厳格に治療を行うことが必要です。