糖尿病の診断は血液検査で行います
「血糖値」といっても、朝食を抜いたときの血糖値(空腹時血糖値)と、普段の血糖値(随時血糖値)では基準が異なります。ちなみに空腹時血糖値の正常範囲は70〜109mg/dLで、健常者は随時血糖値でも140mg/dLを超えることはありません。糖尿病判定の基準となる数値は下記の如くです。
空腹時血糖値
126mg/dL 以上
随時血糖値
200mg/dL 以上
1回目の検査で上記のいずれかにあてはまる場合、「糖尿病型」と判定され、別の日に行った検査でも「糖尿病型」であれば、糖尿病と診断されます。ただし1回の検査でも、同時に測定したHbA1c(ヘモグロビンA1c)*が6.5%以上の場合は、糖尿病と診断してよいことになっています。また、空腹時血糖値が110〜125mg/dL、随時血糖値が140〜199mg/dLの場合は境界型と呼ばれ、いわゆる糖尿病の予備軍にあたります。この場合は定期的な検査を行ったり、75gブドウ糖負荷試験(OGTT)といって、ブドウ糖液を飲んだ後の血糖値やインスリン値の変化を診る検査を行い、糖尿病の診断を行う場合もあります。
*HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは
赤血球の蛋白であるヘモグロビンのうち、どれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値です。普段から血糖値が高い人はHbA1cが高くなり、普段の血糖値が低い人はHbA1cも低くなります。過去1〜2ヵ月の血糖値の平均を反映して上下するため、血糖コントロール状態の目安となる検査です。HbA1cは、数年前まで日本独自の方法(JDS法)で測定していましたが、現在は世界標準の方法(NGSP法)で測定されています。両者の間には0.4%程度の差(NGSP法の方が約0.4%高くなる)がありますので、古いHbA1cと新しいHbA1cを比べる場合には注意が必要です。