例年3, 4月は学会シーズンです。今年も3/23(金)〜25(日)には大阪で日本循環器学会学術集会が、4/13(金)〜15(日)には京都で日本内科学会総会・講演会が開催されました。あいにく日程の都合で循環器学会は土曜日午後しか参加できず、会長 (大阪大学心臓血管外科学 澤芳樹教授) 講演の一部とCoffee Break Seminarしか聴講することが出来ませんでした。とはいえ「Onco-Cardiology」というがん治療に関連する心血管疾患についてのセミナーは大変興味深く、今後人口の高齢化に伴いがん患者数は増加することが想定され、抗がん剤治療を行う患者数も増加する可能性が高いことを考えると、我々かかりつけ医もその存在を頭に入れておく必要があると感じました。
内科学会へは日曜日一日出席出来たので、もう少しゆっくり参加することが出来ました。私は、内科学会に参加する際はなるべく専門外(循環器内科以外)の講演を数多く聴いて、様々な知識を手に入れようと心がけています。特に内科学会の招待講演や教育講演は、その分野におけるトップランナーの先生方が20分〜40分という短い時間内に要点をまとめて下さるので大変助かります。もちろん自分の知識が追いついていない分野も多いので全てを把握することは難しいのですが、それでも最新の話題について聴講していると、常に知識をブラッシュアップしていく必要性があることを強く感じます。今年は招待講演5と教育講演14〜20を聴講しましたが、筋萎縮側索硬化症 (ALS) の遺伝子解析結果による疾患概念の変化、多発性筋炎・皮膚筋炎 (PM/DM) に関連する新たな自己抗体 (杭ARS抗体や杭MDA5抗体) と間質性肺炎との関連、肝癌治療における新規分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の有用性、急性腎障害の早期診断法としての尿中L-FABPやNGALの有用性や新たな治療法としてのアンジオテンシンIIや迷走神経刺激の可能性、など大変興味深く拝聴しました。来年は是非循環器学会、内科学会ともに泊まりがけで参加出来るように調整したいと思います。