4 / 11 (土)、12 (日) と日本内科学会総会および日本医学会総会に出席してきました。特に医学会総会は、全ての学会の総元締のような存在で、4年に1回行われることになっています。第29回となる今年は、まだ桜がわずかに残る京都で開催されました。といっても観光をする余裕は全くなく、ずっと会場に缶詰状態で、特に産業医の研修を集中して受講して来ました。
産業医といっても聞き慣れない方がいらっしゃるかもしれませんが、企業などで労働者の健康管理等を行う医師のことを指します。私は大学病院に勤務していた頃に産業医の資格を取り、その後某企業の産業医を兼務していた経験があるのですが、この資格を更新するためには定期的に研修を受けなければならないのです。
今回の研修の中で特に興味を惹かれたのは、メンタルヘルスに関するシンポジウムでした。最近は企業で働く人々の中で、メンタルヘルスの不調を訴える人(うつや不眠など)が増加していることが社会問題となっています。私の診療所でも、様々な不調を訴えて来院される患者さんの中には、仕事上のストレスが原因と思われる場合がしばしば見受けられます。もちろん深刻な病状であればすぐに専門医(心療内科医や精神科医)へご紹介するのですが、比較的軽症な方であれば、内服薬の処方とともに、不調になった原因を見つけてどう対処するかを考えることになります(そもそもストレスが原因だとご本人が自覚していない場合もあります)。
今回の研修はあくまでも産業医側からの視点に基づくものでしたが、メンタルヘルス不調者の早期発見やその対処という点で、かかりつけ医としても役立つ内容が多かったと思います。最終的にはかかりつけ医と産業医との連携が必要で、職場の中で患者さんの肉体的・精神的負担をどうやって軽減するかが重要だと感じました。